作品メモランダム

山本貴光(文筆家・ゲーム作家)によるブログ

2011-12-31

2011年に読んで印象に残った書物(新刊書篇)

 

 この1年の間に読んだ新刊書の中から、印象に残ったものを100冊ほど選んでみました。

 なんのためにもなりませんが、リストや目録を眺めるとつい楽しくなってしまう方には、10分ほどのハッピーをおすそわけできるかもしれません。

 

 ご参考までに選定の基準は次のとおりです。

 a) 2010年12月以降に刊行されたもの

 b) 一通り目を通したもの

 c) 自力で思い出せたもの

 

 そんなわけなので、リストに入れたいと思うものの、手に入れたきり積んである書物や、最近出たばかりでまだ見ていないもの(このためにaの基準を考えたのでした)などは除外してあります。ただし、bの基準を必ずしも満たしていないものもあります(*を付しました)。

 

 まずはベスト5から。

 

1★國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社

2★アミール・D・アクゼル『宇宙創造の一瞬をつくる――CERNと究極の加速器の挑戦』(水谷淳訳、早川書房

3★高山宏『新人文感覚』(全2巻、羽鳥書店

4★チャールズ・C・ギリスピー『客観性の刃――科学思想の歴史[新版]』(島尾永康訳、みすず書房

5★浜口稔『言語機械の普遍幻想』(ひつじ書房)

 

 

 以下6から100まで、ゆるやかな分類に基づいて並べています(数字は整理のためのもので、順位ではありません)。

 

6★エマニュエル・ギベール『アランの戦争』(野田謙介訳、BDコレクション、国書刊行会)

7★市川春子『25時のバカンス』(講談社)

8★沙村広明ハルシオン・ランチ2』(講談社)(創元推理文庫

9★アリソン・ベクダル『ファン・ホーム――ある家族の悲喜劇』(椎名ゆかり訳、小学館集英社プロダクション)

10★メビウス『エデナの世界』(原正人訳、ティー・オーエンタテインメント)

11★浦沢直樹長崎尚志『BILLY BAT』(第6、7巻、講談社)

 

12★本橋成一『屠場』(平凡社

13★『idea』346号、2011年05月「特集:羽良多平吉 イエス・アイ・スィー――スタディ・イン・ホワイト2011」(誠文堂新光社

14★『idea』349号、2011年11月「特集:松田行正デザイン図鑑」(誠文堂新光社

15★鶴田謙二『FUTURE』(東京創元社

16★『近代ニッポン「しおり」大図鑑』(山田俊幸監修、羽島知之+竹内貴久雄編、国書刊行会)

17★『ジョルジョ・モランディ』(フォイル)

18★有山達也『装幀のなかの絵』(四月と十月文庫、港の人)

19★キティ・ファーガソンピュタゴラスの音楽』(柴田裕之訳、白水社)

20★桜井進+坂口博樹『音楽と数学の交差』(大月書店)

21★ハワード・グッドール『音楽史を変えた五つの発明』(松村哲哉訳、白水社)

22★水野千依『イメージの地層――ルネサンスの図像文化における奇跡・分身・予言』(名古屋大学出版会)

23★ロバート・ヘンライ『アート・スピリット』(野中邦子訳、国書刊行会)

24★イヴ=アラン・ボワ+ロザリンド・クラウス『アンフォルム――無形なものの事典』(加治屋健司+近藤學+高桑和巳訳、月曜社

25★サルヴァドール・ダリ『ダリはダリだ――ダリ著作集』(北山研二訳、未知谷

26★デボラ・ソロモン『ジョセフ・コーネル――箱の中のユートピア』(林寿美+太田泰人+近藤学訳、白水社)

27★『メタボリズムの未来都市』(カタログ、森美術館

28★『空海からのおくりもの――高野山の書庫の扉をひらく』(印刷博物館

29★土本典昭鈴木一誌編集『全貌フレデリック・ワイズマン――アメリカ合衆国を記録する』(岩波書店

 

30★隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」――フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』(名古屋大学出版会)

31★ジョルジュ・ミノワ『ガリレオ――伝説を排した実像』(幸田礼雅訳、文庫クセジュ、白水社)

32★ホルスト・ブレーデカンプ『ダーウィンの珊瑚』(濱中春訳、叢書・ウニベルシタス、法政大学出版局

33★Lorraine Daston & Elizabeth Lunbeck, Histories of Scientific Observation (University of Chicago Press)

34★Charlotte Sleigh, Literature & Science (Palgrave Mcmillan)

35★アルベルト・アインシュタイン、ジョン・スタチェル編『アインシュタイン論文選――「奇跡の年」の5論文』(青木薫訳、ちくま学芸文庫

36★ブライアン・グリーン『隠れていた宇宙』(上下巻、竹内薫監修、大田直子訳、早川書房

37★サム・キーン『スプーンと元素周期表――「最も簡潔な人類史」への手引き』(松井信彦訳、早川書房

38★ガレノス『解剖学論集』(坂井建雄+池田黎太郎+澤井直訳、西洋古典叢書京都大学学術出版会)

39★小山慶太『科学史年表』(中公新書

40★志賀浩二『数学という学問I 概念を探る』(ちくま学芸文庫

41★ダニエル・R・ヘッドリク『情報時代の到来――「理性と革命の時代」における知識のテクノロジー』(塚原東吾+隠岐さや香訳、法政大学出版局

42★James Gleick, The Information: A History, a Theory, a Flood (Fourth Estate)

43★チャールズ・イームズ+レイ・イームズ『コンピュータ・パースペクティブ――計算機創造の軌跡』(和田英一+山本敦子訳、ちくま学芸文庫

44★Toby Segaran & Jeff Hammerbacher『ビューティフルデータ』(堀内孝彦+真鍋加奈子+苅谷潤+小俣仁美+篠崎誠、オライリージャパン)

45★Julie Steele & Noah Iliinsky『ビューティフルビジュアライゼーション』(増井俊之監訳、牧野聡訳、オライリージャパン)

46★Shumeet Baluja, The Silicon Jungle: A Novel of Deception, Power, and Internet Intrigue (Princeton University Press)

47★ジェイン・マクゴニガル『幸せな未来は「ゲーム」が創る』(妹尾堅一郎監修、藤本徹+藤井清美訳、早川書房

 

48★デイヴィッド・ダムロッシュ『世界文学とは何か?』(秋草俊一郎+奥彩子+桐山大介+小松真帆平塚隼介+山辺弦訳、国書刊行会)

49★エンリーケ・ビラ=マタス『ポータブル文学小史』(木村榮一訳、平凡社

50★ウンベルト・エーコ『完全言語の探究』(上村忠男+廣石正和訳、平凡社ライブラリー)

51★アントニオ・タブッキ『他人まかせの自伝――あとづけの詩学』(和田忠彦+花本知子訳、岩波書店

52★山口誠一『ニーチェ『古代レトリック講義』訳解』(知泉書館

53★大村大治『括弧の意味論』(NTT出版

54★ロザリー・L・コリー『パラドクシア・エピデミカ――ルネサンスにおけるパラドックスの伝統』(高山宏訳、白水社)

55★『新約聖書 訳と註 第二巻(上下)』(田川建三訳、作品社)

56★ブレーズ・サンドラール『パリ南西東北』(昼間賢訳、月曜社

57★エルンスト・ユンガー『パリ日記』(山本尤訳、月曜社

58★ウラジーミル・ナボコフ『ローラのオリジナル』(若島正訳、作品社)

59★W.G.ゼーバルト『カンポ・サント』(鈴木仁子訳、白水社)

60★サルバドール・プラセンシア『紙の民』(藤井光訳、白水社)

61★ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(都甲幸治+久保尚美訳、新潮社)

62★ジャック・ボドゥ『SF文学』(新島進訳、文庫クセジュ

63★パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』(上下巻、田中一江+金子浩訳、ハヤカワ文庫SF)

64★スコット・ウエスターフェルド『リヴァイアサン――クジラと蒸気機関』(小林美幸訳、ハヤカワ・SF・シリーズ)

65★サミュエル・R・ディレイニー『ダール・グレン』(全2巻、大久保譲訳、国書刊行会)

66★グレッグ・イーガン『ブランク・ダイヴ』(山岸真訳、ハヤカワ文庫SF)

67★ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』(英国パラソル奇譚、川野靖子訳、ハヤカワ文庫)

68★渡辺温渡辺温全集 アンドロギュノスの裔』(創元推理文庫

69★ジェデダイア・ベリー『探偵術マニュアル』(黒原敏行訳、創元推理文庫

70★ジャンニ・ロダーリ『羊飼いの指輪――ファンタジーの練習帳』(関口英子訳、光文社古典新訳文庫)

71★後白河法皇梁塵秘抄』(川村湊訳、光文社古典新訳文庫)

72★今泉恂之介『子規は何を葬ったのか――空白の俳句史百年』(新潮選書)

73★ブズルク・ブン・シャフリヤール『インドの驚異譚――10世紀<海のアジア>の説話集』(全2巻、家島彦一訳、東洋文庫

 

74★ウンベルト・エーコジャン=クロード・カリエール『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』(工藤妙子訳、阪急コミュニケーションズ

75★松岡資明『アーカイブズが社会を変える――公文書管理法と情報革命』(平凡社新書

76★Dominique Charpin, Reading and Writing in Babylon (Jane Marie Todd trans., Harvard University Press)

77★高橋良平+東京創元社編集部『東京創元社 文庫解説総目録 付・資料編』(東京創元社)*

 

78★デイヴィッド・オレル『なぜ経済予測は間違えるのか?――科学で問い直す経済学』(松浦俊輔訳、河出書房新社

79★カーメン・M・ラインハート+ケネス・S・ロゴフ『国家は破綻する――金融危機の800年(村井章子訳、日経BP社)

80★伊藤邦武『経済学の哲学――19世紀経済思想とラスキン』(中公新書

81★ナオミ『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』(上下巻、幾島幸子+村上由見子訳、岩波書店

 

82★大野更紗『困ってるひと』(ポプラ社)

83★山本義隆『福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと』(みすず書房

 

84★大澤真幸『<世界史>の哲学』(古代篇・中世編、講談社)

85★カール=ヴィルヘルム・ヴェーバー『古代ローマ生活事典』(小竹澄栄訳、みすず書房)*

86★E.ガレン『ルネサンス文化史――ある史的肖像』(澤井繁男訳、平凡社ライブラリー)

87★ルイ・メナンド『メタフィジカル・クラブ――米国100年の精神史』(野口良平那須耕介+石井素子訳、みすず書房

88★J.S.ミル『大学教育について』(竹内一誠訳、岩波文庫、2011)

89★井上進『明清学術変遷史』(平凡社

90★重田園江『ミシェル・フーコー――近代を裏から読む』(ちくま新書)

91★山内志朗『存在の一義性を求めて――ドゥンス・スコトゥスと13世紀の<知>の革命』(岩波書店

92★竹下政孝+山内志朗編『イスラーム哲学とキリスト教中世I 理論哲学』(岩波書店

93★小林利夫『『方法叙説』をめぐる六つの試論――日本の思惟と西欧の思惟に介在する深淵』(徳永雅編、春風社)

94★メルロ=ポンティ『知覚の哲学――ラジオ講演1948年』(菅野盾樹訳、ちくま学芸文庫、2011)

95★大澤真幸『社会は絶えず夢を見ている』(朝日出版社

96★西山雄二『哲学への権利』(勁草書房

 

97★モース研究会『マルセル・モースの世界』(平凡社新書

98★草森紳一『記憶のちぎれ雲――我が半自伝』(本の雑誌社)

99★若松英輔井筒俊彦――叡知の哲学』(慶應義塾大学出版会)

100★スーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている――日記とノート 1945-1963』(デイヴィッド・リーフ編、木幡和枝訳、河出書房新社

 

*書誌などの間違いは、気づき次第訂正したいと思います。