作品メモランダム

山本貴光(文筆家・ゲーム作家)によるブログ

2012-02-16

『イスラーム哲学とキリスト教中世』

いま取り組んでいる仕事が終わったら、じっくり取り組みたい叢書。

★竹下政孝・山内志朗イスラーム哲学とキリスト教中世』(全3巻、岩波書店

 I 理論哲学

 II 実践哲学

 III 神秘哲学

 

目下手にした第1巻「理論哲学」の内容は以下の通り。


はじめに

山内志朗「序章 存在論と論理学のはざま」

1 哲学の伝統

・高橋英海「イスラームにおけるアリストテレス受容」

・小笠原史樹「ヨーロッパにおけるアリストテレス受容」

2 霊魂論

・木下雄介「イブン・シーナーの魂論」

・中畑正志「アリストテレス『魂について』をめぐる註解者たちの議論」

3 真理論・認識論

・小村優太「イブン・シーナーの認識論」

・山本芳久「真理の開示の形式としての「スコラ的方法」――トマス・アクィナスの感情論を手がかりに」

4 存在論

・沼田敦「イブン・シーナーの存在論」

山内志朗アリストテレス存在論の系譜」

討議

・竹下政孝・山内志朗「誤訳の創造性――アリストテレスの受容と変容」

山内志朗「人名小事典」

 

岩波書店 > 「イスラーム哲学とキリスト教中世」
 http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/9/028237+.html

2012-02-16

この辞書を見よ

今月末に刊行が予定されている『ユリイカ』(青土社)の2012年3月号は、「辞書の世界」という特集です。

「この辞書を見よ!20――ことばのアーカイヴ形成史」

というタイトルで、辞書のブックガイドを寄稿しました。

現代の日本語について考える上で視野に入れるとよい辞書20冊(組)を選んで紹介する内容です。

といっても、現代日本語の辞書は1冊(組)のみで、あとはどんどん時代を遡ったり、別の言語との関係へと話が及びます。はてさて、どこまで話がつながるか、ご覧いただければ幸いです。

 

これまで、いろんなブックガイドを書いて参りましたが、よもや辞書そのものについて書く日が来ようとは。

 

青土社 > 『ユリイカ』「特集*辞書の世界」

 http://www.seidosha.co.jp/index.php?%BC%AD%BD%F1%A4%CE%C0%A4%B3%A6

2011-12-31

2011年に読んで印象に残った書物(新刊書篇)

 

 この1年の間に読んだ新刊書の中から、印象に残ったものを100冊ほど選んでみました。

 なんのためにもなりませんが、リストや目録を眺めるとつい楽しくなってしまう方には、10分ほどのハッピーをおすそわけできるかもしれません。

 

 ご参考までに選定の基準は次のとおりです。

 a) 2010年12月以降に刊行されたもの

 b) 一通り目を通したもの

 c) 自力で思い出せたもの

 

 そんなわけなので、リストに入れたいと思うものの、手に入れたきり積んである書物や、最近出たばかりでまだ見ていないもの(このためにaの基準を考えたのでした)などは除外してあります。ただし、bの基準を必ずしも満たしていないものもあります(*を付しました)。

 

 まずはベスト5から。

 

1★國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社

2★アミール・D・アクゼル『宇宙創造の一瞬をつくる――CERNと究極の加速器の挑戦』(水谷淳訳、早川書房

3★高山宏『新人文感覚』(全2巻、羽鳥書店

4★チャールズ・C・ギリスピー『客観性の刃――科学思想の歴史[新版]』(島尾永康訳、みすず書房

5★浜口稔『言語機械の普遍幻想』(ひつじ書房)

 

 

 以下6から100まで、ゆるやかな分類に基づいて並べています(数字は整理のためのもので、順位ではありません)。

 

6★エマニュエル・ギベール『アランの戦争』(野田謙介訳、BDコレクション、国書刊行会)

7★市川春子『25時のバカンス』(講談社)

8★沙村広明ハルシオン・ランチ2』(講談社)(創元推理文庫

9★アリソン・ベクダル『ファン・ホーム――ある家族の悲喜劇』(椎名ゆかり訳、小学館集英社プロダクション)

10★メビウス『エデナの世界』(原正人訳、ティー・オーエンタテインメント)

11★浦沢直樹長崎尚志『BILLY BAT』(第6、7巻、講談社)

 

12★本橋成一『屠場』(平凡社

13★『idea』346号、2011年05月「特集:羽良多平吉 イエス・アイ・スィー――スタディ・イン・ホワイト2011」(誠文堂新光社

14★『idea』349号、2011年11月「特集:松田行正デザイン図鑑」(誠文堂新光社

15★鶴田謙二『FUTURE』(東京創元社

16★『近代ニッポン「しおり」大図鑑』(山田俊幸監修、羽島知之+竹内貴久雄編、国書刊行会)

17★『ジョルジョ・モランディ』(フォイル)

18★有山達也『装幀のなかの絵』(四月と十月文庫、港の人)

19★キティ・ファーガソンピュタゴラスの音楽』(柴田裕之訳、白水社)

20★桜井進+坂口博樹『音楽と数学の交差』(大月書店)

21★ハワード・グッドール『音楽史を変えた五つの発明』(松村哲哉訳、白水社)

22★水野千依『イメージの地層――ルネサンスの図像文化における奇跡・分身・予言』(名古屋大学出版会)

23★ロバート・ヘンライ『アート・スピリット』(野中邦子訳、国書刊行会)

24★イヴ=アラン・ボワ+ロザリンド・クラウス『アンフォルム――無形なものの事典』(加治屋健司+近藤學+高桑和巳訳、月曜社

25★サルヴァドール・ダリ『ダリはダリだ――ダリ著作集』(北山研二訳、未知谷

26★デボラ・ソロモン『ジョセフ・コーネル――箱の中のユートピア』(林寿美+太田泰人+近藤学訳、白水社)

27★『メタボリズムの未来都市』(カタログ、森美術館

28★『空海からのおくりもの――高野山の書庫の扉をひらく』(印刷博物館

29★土本典昭鈴木一誌編集『全貌フレデリック・ワイズマン――アメリカ合衆国を記録する』(岩波書店

 

30★隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」――フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』(名古屋大学出版会)

31★ジョルジュ・ミノワ『ガリレオ――伝説を排した実像』(幸田礼雅訳、文庫クセジュ、白水社)

32★ホルスト・ブレーデカンプ『ダーウィンの珊瑚』(濱中春訳、叢書・ウニベルシタス、法政大学出版局

33★Lorraine Daston & Elizabeth Lunbeck, Histories of Scientific Observation (University of Chicago Press)

34★Charlotte Sleigh, Literature & Science (Palgrave Mcmillan)

35★アルベルト・アインシュタイン、ジョン・スタチェル編『アインシュタイン論文選――「奇跡の年」の5論文』(青木薫訳、ちくま学芸文庫

36★ブライアン・グリーン『隠れていた宇宙』(上下巻、竹内薫監修、大田直子訳、早川書房

37★サム・キーン『スプーンと元素周期表――「最も簡潔な人類史」への手引き』(松井信彦訳、早川書房

38★ガレノス『解剖学論集』(坂井建雄+池田黎太郎+澤井直訳、西洋古典叢書京都大学学術出版会)

39★小山慶太『科学史年表』(中公新書

40★志賀浩二『数学という学問I 概念を探る』(ちくま学芸文庫

41★ダニエル・R・ヘッドリク『情報時代の到来――「理性と革命の時代」における知識のテクノロジー』(塚原東吾+隠岐さや香訳、法政大学出版局

42★James Gleick, The Information: A History, a Theory, a Flood (Fourth Estate)

43★チャールズ・イームズ+レイ・イームズ『コンピュータ・パースペクティブ――計算機創造の軌跡』(和田英一+山本敦子訳、ちくま学芸文庫

44★Toby Segaran & Jeff Hammerbacher『ビューティフルデータ』(堀内孝彦+真鍋加奈子+苅谷潤+小俣仁美+篠崎誠、オライリージャパン)

45★Julie Steele & Noah Iliinsky『ビューティフルビジュアライゼーション』(増井俊之監訳、牧野聡訳、オライリージャパン)

46★Shumeet Baluja, The Silicon Jungle: A Novel of Deception, Power, and Internet Intrigue (Princeton University Press)

47★ジェイン・マクゴニガル『幸せな未来は「ゲーム」が創る』(妹尾堅一郎監修、藤本徹+藤井清美訳、早川書房

 

48★デイヴィッド・ダムロッシュ『世界文学とは何か?』(秋草俊一郎+奥彩子+桐山大介+小松真帆平塚隼介+山辺弦訳、国書刊行会)

49★エンリーケ・ビラ=マタス『ポータブル文学小史』(木村榮一訳、平凡社

50★ウンベルト・エーコ『完全言語の探究』(上村忠男+廣石正和訳、平凡社ライブラリー)

51★アントニオ・タブッキ『他人まかせの自伝――あとづけの詩学』(和田忠彦+花本知子訳、岩波書店

52★山口誠一『ニーチェ『古代レトリック講義』訳解』(知泉書館

53★大村大治『括弧の意味論』(NTT出版

54★ロザリー・L・コリー『パラドクシア・エピデミカ――ルネサンスにおけるパラドックスの伝統』(高山宏訳、白水社)

55★『新約聖書 訳と註 第二巻(上下)』(田川建三訳、作品社)

56★ブレーズ・サンドラール『パリ南西東北』(昼間賢訳、月曜社

57★エルンスト・ユンガー『パリ日記』(山本尤訳、月曜社

58★ウラジーミル・ナボコフ『ローラのオリジナル』(若島正訳、作品社)

59★W.G.ゼーバルト『カンポ・サント』(鈴木仁子訳、白水社)

60★サルバドール・プラセンシア『紙の民』(藤井光訳、白水社)

61★ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(都甲幸治+久保尚美訳、新潮社)

62★ジャック・ボドゥ『SF文学』(新島進訳、文庫クセジュ

63★パオロ・バチガルピ『ねじまき少女』(上下巻、田中一江+金子浩訳、ハヤカワ文庫SF)

64★スコット・ウエスターフェルド『リヴァイアサン――クジラと蒸気機関』(小林美幸訳、ハヤカワ・SF・シリーズ)

65★サミュエル・R・ディレイニー『ダール・グレン』(全2巻、大久保譲訳、国書刊行会)

66★グレッグ・イーガン『ブランク・ダイヴ』(山岸真訳、ハヤカワ文庫SF)

67★ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』(英国パラソル奇譚、川野靖子訳、ハヤカワ文庫)

68★渡辺温渡辺温全集 アンドロギュノスの裔』(創元推理文庫

69★ジェデダイア・ベリー『探偵術マニュアル』(黒原敏行訳、創元推理文庫

70★ジャンニ・ロダーリ『羊飼いの指輪――ファンタジーの練習帳』(関口英子訳、光文社古典新訳文庫)

71★後白河法皇梁塵秘抄』(川村湊訳、光文社古典新訳文庫)

72★今泉恂之介『子規は何を葬ったのか――空白の俳句史百年』(新潮選書)

73★ブズルク・ブン・シャフリヤール『インドの驚異譚――10世紀<海のアジア>の説話集』(全2巻、家島彦一訳、東洋文庫

 

74★ウンベルト・エーコジャン=クロード・カリエール『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』(工藤妙子訳、阪急コミュニケーションズ

75★松岡資明『アーカイブズが社会を変える――公文書管理法と情報革命』(平凡社新書

76★Dominique Charpin, Reading and Writing in Babylon (Jane Marie Todd trans., Harvard University Press)

77★高橋良平+東京創元社編集部『東京創元社 文庫解説総目録 付・資料編』(東京創元社)*

 

78★デイヴィッド・オレル『なぜ経済予測は間違えるのか?――科学で問い直す経済学』(松浦俊輔訳、河出書房新社

79★カーメン・M・ラインハート+ケネス・S・ロゴフ『国家は破綻する――金融危機の800年(村井章子訳、日経BP社)

80★伊藤邦武『経済学の哲学――19世紀経済思想とラスキン』(中公新書

81★ナオミ『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』(上下巻、幾島幸子+村上由見子訳、岩波書店

 

82★大野更紗『困ってるひと』(ポプラ社)

83★山本義隆『福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと』(みすず書房

 

84★大澤真幸『<世界史>の哲学』(古代篇・中世編、講談社)

85★カール=ヴィルヘルム・ヴェーバー『古代ローマ生活事典』(小竹澄栄訳、みすず書房)*

86★E.ガレン『ルネサンス文化史――ある史的肖像』(澤井繁男訳、平凡社ライブラリー)

87★ルイ・メナンド『メタフィジカル・クラブ――米国100年の精神史』(野口良平那須耕介+石井素子訳、みすず書房

88★J.S.ミル『大学教育について』(竹内一誠訳、岩波文庫、2011)

89★井上進『明清学術変遷史』(平凡社

90★重田園江『ミシェル・フーコー――近代を裏から読む』(ちくま新書)

91★山内志朗『存在の一義性を求めて――ドゥンス・スコトゥスと13世紀の<知>の革命』(岩波書店

92★竹下政孝+山内志朗編『イスラーム哲学とキリスト教中世I 理論哲学』(岩波書店

93★小林利夫『『方法叙説』をめぐる六つの試論――日本の思惟と西欧の思惟に介在する深淵』(徳永雅編、春風社)

94★メルロ=ポンティ『知覚の哲学――ラジオ講演1948年』(菅野盾樹訳、ちくま学芸文庫、2011)

95★大澤真幸『社会は絶えず夢を見ている』(朝日出版社

96★西山雄二『哲学への権利』(勁草書房

 

97★モース研究会『マルセル・モースの世界』(平凡社新書

98★草森紳一『記憶のちぎれ雲――我が半自伝』(本の雑誌社)

99★若松英輔井筒俊彦――叡知の哲学』(慶應義塾大学出版会)

100★スーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている――日記とノート 1945-1963』(デイヴィッド・リーフ編、木幡和枝訳、河出書房新社

 

*書誌などの間違いは、気づき次第訂正したいと思います。

 

 

2011-12-30

「文体百般」第5回「対話――反対があるからこそ探究は進む」

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 12月29日発売の季刊誌『考える人』(新潮社)No,39、2012年冬号に連載「文体百般――ことばのスタイルこそ思考のスタイルである」の第5回「対話――反対があるからこそ探究は進む」を寄稿しました。

  今回は、ガリレオ・ガリレイ『天文対話』を題材にして、「対話(dialogue)」という文章のスタイルについて、ああでもない、こうでもないと眺め味わっています。どうしてガリレオは、対話というスタイルを選んだのか。話者を3人にしたのか。どんな理路で議論は進むのか。対話はどうして続くのか、などなど。

 短い文章、法律、対話と続けて参りましたが、ここを折り返し地点として、さらにいくつかの文章のスタイルを俎上に載せてゆこうと思います。よろしくおつきあいください。

 これまでの連載内容は以下の通りです。

 第1回「文体とは「配置」である」

 第2回「短い文――時間と空間に縛られて」

 第3回「短い文――記憶という内なる制限」

 第4回「法律――天網恢々疎にして漏らさず」

 第5回「対話――反対があるからこそ探究は進む」

 

 『考える人』の特集は「ひとは山に向かう」です。

 また、佐藤卓己「天下無敵」中島岳志親鸞と日本主義」は最終回。新連載、山折哲雄「柳田国男、今いずこ」が始まりました。

 

⇒新潮社 > 考える人
 http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/

 

2011-12-29

2011年の仕事/2012年の抱負

従来、はてなダイアリーにて「作品メモランダム」というブログを書いておりましたが、はてなが新サーヴィスを公開したこの機会に、こちらへ移行してみたいと思います。

 

2011年に形にできた仕事について、簡単にコメントをつけながら、ご紹介したいと思います。

 

■文筆・翻訳

★翻訳 ケイティ・サレン+エリック・ジマーマンルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎(上)』(ソフトバンククリエイティブ)

 Rules of Playの翻訳前半をようやく刊行できました。「下巻はまだか」とのお言葉を各方面から頂戴しており恐縮至極でございます。目下鋭意作業中です。私自身も、この(無限に時間と労力を吸い込む!)翻訳を終わらせてしまわないことには、次に進めないのでガリガリと進めております。いま少しお待ちくださいませ。

 

★連載「文体百般――ことばのスタイルこそ思考のスタイルである」(『考える人』、新潮社)

 新潮社の季刊誌『考える人』で2010年冬から連載を始めさせていただきました。さまざまな文章を取り上げて、その印刷や表現も含めたスタイルを味わってみようという趣旨です。もうすぐ刊行となる最新号では、「対話」というスタイルを吟味した第5回が掲載されます。2012年、もう何回か掲載していただいてから、書物にまとめられればと念じております。

 

★連載「「百学連環」を読む」(三省堂ワードワイズ・ウェブ)

 ウェブサイト三省堂ワードワイズ・ウェブにて新連載を始めさせていただきました。彼が造った翻訳語には日本語を使う誰もがお世話になっている、西周の講義「百学連環」を、一行たりとも疎かにせず、注釈しながら読んでゆくという企画です。欧米、中国、日本の知が絡み合いながら、新しい日本の学術が生まれるさまを検討しています。目下はもうすぐ40回になるところ。週に一度の連載。これも2012年1月9日の次回掲載分をはじめとして、引き続き連載させていただく予定です。

 

★連載「ブックガイド――書物の海のアルゴノート」朝日出版社第二編集部ブログ)

 朝日出版社第二編集部ブログにて新連載を始めさせていただきました。これは、そのつどテーマを決めて、広大な書物の海のなかの部分部分について、海図をご呈示してゆこうという心づもりの企画です。目下は第3回まで書かせていただきましたが、船はまだ港から出てもいないテイタラク。態勢を立て直して、2012年に再出航したいと考えています。最初のテーマは、そもそも「書物」を「読む」とはどういうことか、という問題です。

 

「世界をデッサンする――梅棹忠夫ブックガイド」(『考える人』2011年夏号、新潮社)

 『考える人』の梅棹忠夫特集号にブックガイドを書かせていただきました。著作集全体や対談などをもとに、梅棹さんの仕事全体を俯瞰しつつ、、10冊ほどを選んでご紹介しています。『考える人』誌では、2005年の「心脳問題ブックガイド」(吉川浩満と共著)以来、<科学者の自伝・評伝>(2008)、<日本の科学者100人100冊>(2009)、<聖書を読むための本>(2010)、<ドリトル先生>(2010)、<紀行文学>(2010)など、いろいろなブックガイドを書かせていただいています。

 

物質と記憶の未来」(『早稲田文学』第4号)

 マーシャル・マクルーハン小特集に寄稿させていただきました。マクルーハンが考えた「メディア」理解を下敷きにして、コンピュータが使い手である人間に、どのような変化をもたらすかということを考察しています。ここで論じたことを、さらに展開してゆきたいと念じております。

 

「知を結ぶ――寺田寅彦 学術連環」(『KAWADE道の手帖 寺田寅彦』、河出書房新社

 寺田寅彦が書き残したものの全体から、彼に流れ込んだものと彼から流れ出たものを一種の知の地図として作図し、その解説を書かせていただきました。『寺田寅彦全集』を読むための案内図にもなっています。

 

「寅彦曼荼羅――因果の網状図」(『誠信プレビュー』第113号、誠信書房)

 上記原稿をつくる中で「なぜ、寺田寅彦はときおりナポレオンに言及するのだろうか?」という疑問から考えたことを書いた小文です。寅彦先生が手帖に書き付けた興味深い因果の図とともに掲載していただきました。

 

■講義・対談

★「ゲームデザイン」他(東京ネットウエイブ)

★「映像文化論」(一橋大学、夏学期)

★「ゲームづくりの発想術――ジャマしジャマされ遊ぶのさ」(ツブヤ大学)

★「山本寛×山本貴光講演会」(一橋大学KODAIRA祭)

★「世界を異化するゲームデザイン」(慶應義塾大学SFC)

★「哲学カフェI 「しあわせ」の条件」(朝日カルチャーセンター横浜校)

 

■2012年の抱負

 こう書き並べてきて、自分でもますますなんだか分からなくなって参りましたが、来年はさらになんだか分からない者になってゆけるよう、精進したいと思います。

 まずは『ルールズ・オブ・プレイ』の下巻を無事に刊行したいです。

 2012年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。